謎の大爆発 ブラックホールまたは中性子星を発見か アルマ望遠鏡(その1)
こんばんは。
今は、いろんな種類の望遠鏡、地上はもちろんで宇宙望遠鏡や、観測施設などが世界のあちらこちらにあります。
観測で得た情報は、すぐに世界中に伝えられて科学者などが「これは何?どうなってるのー?」と一斉に調査します。
2018年6月16日(記事は今年の1月15日)2億光年先の銀河で大爆発が起き、ハワイで行われている「アトラス(ATLAS)」という全天観測プロジェクトで、その事象が最初にとらえられました。
しかし、その爆発はこれまでに観測されたものとはまったく違っていたのです。
宇宙の中でも極めてエネルギーの高い現象が発生する瞬間を目の当たりに?
すぐに、この爆発の特殊な性質に研究者たちが気づきました。
一般的な超新星爆発(これについては今度)の10~100倍ほど明るくなったあと、予測よりずっと早い数ヶ月以内に暗くなったのです。
この爆発を「AT2018cow」と呼んでいます。え、牛?
こちらの記事を参照しました。
ガンマ線・エックス線・電波などさまざまな波長で、世界中の地上望遠鏡や宇宙望遠鏡を使った追観測が実施されました。
「AT2018cowには世界中の天文学者が注目し、これまでもっとも精力的に観測された天体のひとつといってもいいほどなのですが、その正体はまだよくわかりません。まったく新しい種族の天体かもしれません。」
と、アルマ望遠鏡での観測をリードしたアナ・ホー氏(カリフォルニア工科大学)はコメントした。
アルマ望遠鏡(その2で説明)は世界中の研究者たちが、いろんな研究に使いたいからと日程がぎっしりです。でも突発的なことが起きたらムリクリ空けます。
ホー氏らのチームは。
・発見された5日後からハワイにある電波望遠鏡SMAで観測。
・10日後からオーストラリアの電波望遠鏡ATCAで観測。
・アルマ望遠鏡での観測は発見から14日後、22日後、23日後に行われた。
アルマ望遠鏡は3日間だけ?でもいろいろわかったようです。
~この辺はムズいので省略~
「AT2018cow」の正体について2つの有力な説が提唱されました。
[1] 非常に特殊な超新星爆発。
[2] あるいはブラックホールに近づきすぎたために破壊(潮汐破壊)されてしまった星。
*潮汐破壊=ロッシュ限界とは、惑星や衛星が破壊されずにその主星に近づける限界の距離のこと(Wikipediaより)
AT2018cowは、アルマ望遠鏡で観測できる電波(ミリ波・サブミリ波)で他のどんな超新星爆発より明るかった。
爆発によって生じた高エネルギーで細く絞られたガスの流れ(ジェット)が周囲のガス塊に衝突することによって電波が出ると考えられる。
エックス線は、光子が高エネルギー電子によってはじかれる「逆コンプトン散乱」では説明がつかない時間変動やスペクトルを示している。
*逆コンプトン散乱とは←知りたい方はここをクリックしてくださいね~。
AT2018cowの想像図。中心の「エンジン」から噴き出した高速のガス流(ジェット)が周囲を取り囲むガスに衝突している様子を描いている。(C)Bill Saxton, NRAO/AUI/NSF
長くなりましたので(その2)に続きます。明日の午後にでもアップします。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
/りお