M87のブラックホールからのジェット 光速の99%以上
Rioでじゃねーど、です。
今日はM87銀河についてのお話です。この銀河は話題が豊富です。
去年はM87の中心にある、超大質量ブラックホールの撮影に初めて成功し、去年の宇宙ニュースの1番に輝きました。その時のマイ記事はこちらです。
そして、今回はこのM87の「ジェット」についてです。
M87銀河コアから出現するジェット ハッブル望遠鏡の観測の合成画像 パブリックドメイン画像(NASA and The Hubble Heritage Team)
M87はおとめ座の方向、およそ5500万光年先にある楕円銀河で、中心にある超大質量ブラックホールは太陽の65億倍の質量だそうです。
私たちの住む天の川銀河の中心の超大質量ブラックホールは、太陽の約400万倍の質量ですから、上には上がありますね。
M87の超大質量ブラックホールからは「ジェット」が噴出していて、そのジェットの長さは7,000~8,000光年にも及ぶと推定されているようです。
宇宙ジェットとは、重力天体を中心として細く絞られたプラズマガスなどが一方向、又は双方向に噴出する現象をいう(wiki)
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ヒーバー・カーチスという米の天文学者が1918年に出した論文に、M87のことが書かれていたようで(91cmの望遠鏡を使用していた)
「とても明るい星雲で、渦巻きはない(略)、星雲の中心から不思議な光線が出ている」と記述していたそうです。
このカーチスの発見した「不思議な光線」が、超大質量ブラックホールのジェットを初めて捉えた記念碑的なものといえる、と下記の著書に書いてありました。
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ジェットの速度が光の速さを超えている?
また、ジェットの速度が見かけ上、光の速さを超える「超光速運動」という現象があるようです。
NASAの元記事から画像をペタッ!
M87のブラックホールから噴出するジェットのX線画像。右下は2012年と2017年の5年間でジェットが移動し一部が70%弱くなっていた様子 画像クレジット:NASA / CXC / SAO / B。Snios et al。
NASAの研究チームは、X線観測衛星「チャンドラ」を使ってM87のジェットの速度を測定しました。
・ブラックホールから900光年離れた塊は見かけ上の速度が、光速の6.3倍、2500光年離れた塊は2.4倍で運動していることがわかった
これはあくまで見かけ状、光速を超えて見えるだけで、本来、光の速度を超えるものは存在しないと言われています。
このような「超光速運動」が観測される条件とは
(1)ジェットの速度が光速に近くて、
(2)ジェットがほぼ私たち(地球)に向かって運動している
この2つがある時に起きる現象のようです。
そして、この研究チームが詳しく分析した結果、ジェットの最大速度は光速の99%以上に達していることが明らかになったそうです。
(1)が証明されたのですね?
光(光子)は質量がゼロだそうです。質量を持つ物質が到達しうる速度としては、ほぼ上限に達していると言えるとのことでした。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
/りお
参考サイト・著書:
●『巨大ブラックホールの謎』ー本間希樹
●光速の99%以上、M87のブラックホールからのジェット - アストロアーツ
●光速の99%以上! M87のジェットの速度が「チャンドラ」の観測によって判明 | sorae 宇宙へのポータルサイト 他